入江波光（いりえはこう)
古画の模写から自己表現へ
大正11年の渡欧時から昭和3年までの作品は光を取り入れた緑の霞のかかった色調で、「波光の光」とも言われる。不思議な色彩で静寂さや神秘さをかもし出した。西洋の写実性と空間表現を取り入れ、独自の浪漫的情趣を込めた透明感のある着彩画を描き、その後は古画・壁画の模写に徹し、新しい息吹きでよみがえらせた。
そして生涯の仕事となった法隆寺金堂壁画の模写に精魂を傾けた。
では、そんな入江波光について当ギャラリーの見解をお伝えさせていただきます。
線描、たらし込み、彩色を巧みな技法で
日本画だけでなく多くの絵画では、図柄によって、評価や査定額が大きく変動することもあります。画家それぞれに人気のモチーフがあり、人気な図柄ほど評価や査定額が高いのが現状です。日本画界では、長年愛好家や購入者に人気な図柄に対して高値がつく事が多いです。入江波光の場合は、静物画や花鳥画も描いているが、仏画が比較的人気です。
後世を育てながら水墨画を多く描いた
作品の技法に関しても本画なのか？版画なのか？作技によっても評価や査定額が変わります。日本画に関しては、やはり本画が水彩画や素描より高額な値がつきます。なお入江波光の主な作品種類は紙本・彩色、絹本・彩色、水墨画など。
Fraxinus2 クリックするとwikimediaページ入江波光 略歴
明治20年(1887)-昭和23年(1948)
京都に生まれ。同地で没。
| 大正7年 | 国画創作協会の第1回展で国画賞受賞。 |
|---|---|
| 昭和3年 | 国画創作協会解散後は絵画教育と仏画など古典研究に専念した。 |
| 同13年 | 中国に旅行。 |
| 同15年 | 朝鮮に旅行。 |
| 同16年 | 以降は中村岳陵らと法隆寺壁画漠写に没頭した。 |
入江波光 代表作品
- ≪降魔≫
- ≪彼岸≫など
