名坂有子（なさか ゆうこ)
壮大な同心円
大阪府生まれの具体美術の画家。1962年二科展や芦屋市展で立て続けに受賞し、吉原治良と出逢う。翌年、具体美術協会へ加入。具体美術の第二世代の作家でした。円のイメージを反復させた、レリーフ状の作品を制作し、光沢のある黒い壁に同心円の質感の高いメタリック絵画を発表。対照的な表面の反射特性を探求する明るい色と暗い色合いで、ドリル、ラッカー、コンプレッサーなどの工業用材料を駆使した。
キネティック・アートも手掛け
主な作品の技法は、樹脂・ラッカー、ミックストメディアなど。60年代後半からは、マグネットを用い、動きを取り入れたキネティック・アートを手掛けた。アート市場では、近年国内外で再評価されている日本の前衛美術「具体美術」。名坂有子作品もヨーロッパを中心に評価も高まっています。
Work, 1965 Nasaka Yuko Resin and lacquer on /Ihsun Lee クリックするとflickrページ名坂有子 略歴
昭和13年(1938)-
大阪市出身。
| 昭和34年 | 大阪樟蔭女子大学を卒業。 |
|---|---|
| 同37年 | 第15回芦屋市展に出品。市長賞と15周年記念賞を受賞。第47回二科展、第5回現代日本美術展にも出品。同年より吉原治良に師事。 |
| 同38年 | 具体美術協会会員になる。同47年解散まで在籍する。 |
| 同39年 | 個展（具体ピナコテカ）を開催。 |
| 同40年 | 第9回シェル美術賞で佳作賞を受賞。また同年にはパリのスタドラー画廊で行われた「パリ具体美術展」に参加。 |
| 同41年 | スイスの第2回ローザンヌ国際展に出品。 |
| 同45年 | 日本万国博覧会政府館4号館ドームパターンを担当。 |
| 同62年 | IBM絵画・イラストコンクール優秀賞を受賞。 |
名坂有子 代表作品
- ≪Swirl, Red, and Yellow≫など
